いなblog

自分語りをします。

8ヶ月ぶりに電車に乗ったら泣いた話。

8ヶ月ぶりに駅に行ったら

心臓がドキドキしてくるのを感じた。

その前から、今の状態で電車に乗れるのかという不安があった。

だから駅に着いて心臓がドキドキしてきた時、

(いや、これはきっと、電車に対してのドキドキではなく、

ドキドキしてしまうんじゃないかという不安からのドキドキだろう。)

そう思った。

 

そして、電車に乗って20分。

目的地は以前何度か通ったことのある心療内科

本当はもっと前に行かなきゃいけなかったのを

やっと今日行動に移した。

何年も前からもしかしてそうかもなと思いつつ、

放ったらかしにしてたことがあった。

それを確かめに、また、そうであってもなくても

いずれにせよそれを緩和させるために、

病院に行かなくてはいけない。

ただ、そのためには地元の大学病院への紹介状を貰いに、

まずその電車で20分の病院へ行く必要があった。

 

電車に乗って、椅子に座る。

田舎の平日の午前中。人は少ない。

だけど、乗り降りする人の動きが気になる。

耐えろ。あと3駅…2駅…次…。

 

耐えた。よし。よしよし。

 

と思いながら改札を出た。

その道中にも人はたくさんいる。

周りの人を目で追う。

呼吸が浅くなる。

 

気づいたら駅ビル入口前の広告が貼ってある柱の前で

息荒く必死に涙を堪え立ち止まっていた。

 

マスクがあってよかったと思った。

前髪が伸びてきたのが気になっていたけど、

目元が隠れたので切らないままでよかったと思った。

 

だめだだめだだめだ。だめだめだめ。

もうすぐ着く。もう着く。

 

堪えてまた歩き出した。

病院に着けばきっと、

もっと人の流れが穏やかで、

落ち着けるはず。

そう考えながら必死に歩いた。

 

エレベーターでビルの6階まで向かう。

だけど、ドアが開いたら思っていた以上の人の数。

 

この病院、前来てた時はこんなに人いなかったよな…。

月曜日だから?午前中の予約だから?

おじいちゃんおばあちゃんが多い。

コロナ禍で精神的に病む人が増えてるとか

テレビで言ってたのは観たけど…

 

そんなことを考えながら、

とりあえず病院の出入口ドアの外で

経ったまま待ってた。

全然思ってたのと違う。

こんなに人がいるなんて思ってなかった。

でもとにかく私は、紹介状を受け取らなきゃいけない。

紹介状を貰ったらすぐに帰るんだ。

それだけだ。

 

しばらくして、奥のイスが空いていたので

そこに座ることにした。

だけどそのイスは柱に隠れていて分からなかったけど

目の前に無料のドリンクサーバーがあった。

そこに人が寄ってきて立ち止まる。

 

それを利用した人が、紙コップを捨てようと

サーバーの隣にある蓋が開閉式のゴミ箱を

開けた時、急に不安になった。

 

そしてまたもう1人営業マン風の

背の高い男性が来て水を飲む。

ゴミ箱を開けた時、

耐えられなくて立ち上がり、

そのまままた外に出た。

 

振り向くと、その男性は

さっきまで私が居たスペースに座ってる。

空いたからラッキー、くらいの気持ちなんだろう。

あの人は、ゴミ箱が空いて、

使用済みの紙コップが目の前で投げ捨てられても、

水滴が飛んでくるかもとか考えて、

怖くて立ち上がることなんてしないんだろう。

 

そして周りを見渡すとみんな

当たり前に他人の隙間をすり抜けて歩いてる。

自分以外の存在に不安なんて

抱いてないように見える。

そんな光景を見ていたら、さっき駅では

堪えられた涙がぽろぽろ零れてきた。

 

そしてやっと診察室に呼ばれ、

現状を少しだけ説明したけれど、

とにかく一刻も早くここを出て

家に帰りたかった私は、

なるべく話が長くならないよう、

強迫症状はありますか?」と聞かれても

「ないです。」と答えた。

「ないですか。はいはい。」と感じ良く言われた。

 

私の後にも何十人と順番を待ってる人がいて、

この医者は初めて会う人で、

院長と書いてあるけど、

きっと予約の取りやすさからしても

あまり長々と患者の話を聞く人でもないだろうし、

私は紹介状を貰いに来ただけだから

べつにここで事細かに話して伝える必要はない。

 

会計を済ませたらすぐに病院を出て、

人がいないところまで行き、

マスクを外して大きく息を吸った。

8ヶ月ぶりに電車に乗ったら

人の流れに圧倒されて泣いてしまったけど、

きちんと目的を果たせたことは

私の中ではとても大きな1歩だった。