いなblog

自分語りをします。

大学病院の精神神経科に行った話。

 


初めて大学病院の精神神経科を受診した。

10代から21,2の頃まで約5年弱通った病院は

勝手に行くのをやめてしまって、

その後は今から約3年前に別の病院にも

行ったけど、どちらも個人院で

小さなところだったから、

今回予診、本診を通して

事細かに様々な質問をされ、

中にはそんな事まで?という内容もあり

いろんな意味で驚きがあった。

当たり前だけど、個人院とは全然違った。

 


今まで行ったところは

現状辛い事、気になる事、

それに当てはまる病名を伝えられ

薬を出される。

いたってシンプルな流れだった。

ざっくりとした質問で形式通りの問診。

とくに3年前のところはそれが顕著だった。

 


心療内科は基本的に予約が取りづらい。

1ヶ月待ちなんてザラだ。

けどそこはすぐに入れたので、

きっとあまり話はしないタイプだろうなーと

行く前から予想できた。

 


それが合う人ももちろんいると思う。

薬さえ貰えればそれで構わないという人や、

話すのは苦手だからさっさと終わらせたい人など。

 


けれど、ざっくりした質問が苦手な私は

「最近はどうですか?」と聞かれても

あまり上手く答えられない。

それに、答えたところでなぁ…とも思っていた。

細かく話そうと思うことはあっても、

それを話されても、この医者からすれば

多数いる患者の1人に過ぎないし、

早く終わらせた方がいいんだろうな、とか。

 


昔通ったところでは

強迫神経症で通院していて、

3年前のところはその当時の症状を伝えると

「社交不安障害ですね」と言われた。

だけど、それはそうなんだろうけど、

私にはもっと気になってる事、聞きたい事があった。

 


けど、かといってどうする?

大学病院にわざわざ紹介状出してもらうとか、

そんな事してもらうほど重症じゃないんだろうし。

小さな頃から違和感はある。

でもそれはただの自分は周りと違うとか、

所謂厨二病みたいな話なのかも。

恥ずかしくて口にできない。

思春期病をずっと引きずってるだけかも。

精神的に未熟なんだ。

そう思ってた。

 

 

 

大学病院では、まず予診の方で

現状気になる事以外に最終学歴や

勉強がどの程度できていたか、

職歴や辞めた理由(面接を受けてる気分)や、

産まれる前、幼少期に何かトラブルはあったか、

家族構成、年齢、出生地、

病気や自殺した人がいるならそれについても。

とにかく細かく聞かれた。

 


そしてそれを本診でさらに深堀りされる。

個人院ではその時、今実際どのような状態かが

メインで話されるけど、

今回は昔の事を話してるうちに思い出す事や

聞きたかった事が次々浮かんできて、

途中話すのが辛くなる内容もあったけど、

先生や、助手として同席していた

医学生の女性の方もすごく感じが良く、

柔らかい人だったので、安心して話せた。

話してもいいんだという雰囲気があった。

 


先生は自分の事を「精神マニア」と言っていた。

だからか、私の話を聞いてどこか面白そうに見えた。

 


強迫神経症は解明されていない事が多いらしい。

海外でも「○○らしい」程度で、

特に日本では強迫神経症について

しっかり理屈を説明できる医者はいないと。

 


医学生の女性に、

「これは複雑だ。国試に出ないやつだね!」

と言って笑っていた。

 


医学生も、「出ませんね!難しいです…。」と

熱心にメモを取っていた。

 


楽しそうだったけど、嫌な気はしなかった。

今までずっと親にも話せないし、

他人に話すのもはばかられる。

ネット上で吐き出せばかまってちゃんだと思われて

きっとフォロワーはbotか投資家アカウントくらいしか

残らなくなるだろうと思ってた。

それを、仕事という雰囲気ではなく

興味ありげに聞いてくれる人は初めてだったから。

 

 

 

双極性障害について、御自身で何か感じる事はありますか?」

と聞かれた。

 


私は、自分の事を躁鬱に近い状態なのかもと

思った事はあるけど、

調べて出てきたような躁状態の時にテンションが上がって

明るくなりすぎるとかはなくて、

どちらかと言えばイライラやそわそわ感が強くなり、

攻撃的な言葉が増え又その衝動を抑えられなくなる。

程度は軽い物だと思っていますと伝えた。

 


診断はその通りで、軽い躁鬱状態

双極性障害二型というもの。

 


「失礼ですが、人付き合い長く続かないんじゃないですか?」

と言われた。

その通り。

その時は気づかないけど、

振り返って考えるとそういう時期に

他人とトラブルが起きて、人が離れていく事が多かった。

 


だから私は男女関係なく関係を深くしすぎてはダメだ。

長く付き合ってるとそのうちボロが出るから、

その前に身を引くか、会う回数を減らさないとダメだ。

そう思って生きるようになった。

 


そんな話をしていたら先生は入力し終えたカルテを見て、

「この人生つらっっ!!!」と大きな声で言った。

鬼滅の刃の善逸が浮かんで面白かった。

 


昔好意を寄せてくれた人に

あらかじめ打ち明けた事があった。

けどその人は私の事を全然普通だと言った。

普通の時にしかそういった活動は

しないので当然だけど、

想像力を膨らませてほしいというのは無理がある。

精神疾患を抱える人間の浮き沈みは

年単位で長く付き合っている人でなければ分かりづらい。

 


そして1年半が経とうとしていた頃、

ついに落ち込む時期はやってきて、言われた。

「わざとネガティブになってんの?」

「何?トラウマでもあんの?」

何年も前の事なのに、この言葉が忘れられない。

「大丈夫」と言ってくる相手ほど信用できない。

 


それ以降は恋愛関係になった相手に

そういう話をするのはやめた。

やめたけど、心の壁のようなものがずっと

取り払えなくて、深い付き合いは当然できない。

だから、恋愛より趣味に身を置いてる方がずっと楽だ。

時々寂しくもなるけど。

 

 

 

強迫神経症については10代から20代で

発症する事例が多いが、

私の場合は幼少期からその症状が認められるらしい。

 


小学生の頃からあったと自覚していたのは

テレビの電源や部屋の電気を納得いくまで

何度も消し直さないと気が済まない事と、

水道の水を何度も出して、止めてを繰り返す事。

指のこの部分をテーブルの角に当てたいとか、

濡らしたいとか、なんの意味もないけど

突然そういう衝動に駆られた。

 


その他に今日思い出したのは言葉を声に出す時に、

例えば「ありがとう」の「が」を強く、

自分で納得するまで繰り返し発さないと落ち着かなかった事。

濁音、半濁音がつくところでそうなる。

 


大人になった今でも同じ文字を

何度も打ち直さないといられないとか、

文章を読むというより文字を見ている感覚に近く、

頭の中で読む時もその音がしっくりくるまで

反復しないと気持ちが悪いとかはあるけど、

小さな頃からそれはずっと

続いていたというのは新しい発見だった。

当たり前になりすぎて気付かなかったんだと思う。

 


その他あるのは人混みや慣れない場所での不安感、

場合によって発作が起きる、所謂パニック症と

21の頃発症した摂食障害

過剰に運動やカロリー制限をしてしまうなどの行為が

今も時々出てしまう事。

これは昔に比べてかなり改善された。

 


こんな風に、現状あるものだけではなく

過去から積み重ねられてきた物

あらゆる方面から可能性を炙り出し、

それに適していそうな薬を提案される。

 


私の場合は所謂抗うつ薬を使うと

かえって症状が悪化する可能性が高いらしく、

てんかんや、統合失調症の治療に

用いられる薬を3つ紹介された。

 


副作用の説明をされ、

1つは、この薬を飲んだまま妊娠してしまうと危険で、

不安感にも大した効果はないので

これはまず使いませんと言われた。

2つ目は妊娠は危ないけど不安感に効果がある薬。

 

私は端から妊娠する気も予定もなく、

そういう事なら問題ないですと伝えた。

けれど先生は、今は考えられないと思うけど、

もしこれをずっと使い続ける事になると

いつかもし妊娠したいと思った時に危ないので、

可能性は残しておきたいと言われた。


最後の薬は妊娠に影響はないが

皮膚症状が出る事があるらしく、

日本ではまだ新しい薬なので

少ない量しか処方できないと言われたけど、

不安感やイライラに効果的なのが認められているので

最終的にまずその薬から試す事になった。

 


精神科で貰う薬は飲むのに勇気がいる。

昔初めてそういった薬を飲んだ時、体に合わず

副作用が酷くまったく眠れなくなった。

眠いのに眠れないイライラから

発狂しながらベッドから起き上がった事もあった。

 


その後はなんとか決まった薬に落ち着いたものの、

不安感が減少されたというよりも

楽しいとか、興味というものがなくなって

無の状態になっている事が多くなった。

思考が止まったような状態。

それが切れると今度は"死にたい"しか

浮かばなくなり一晩中泣いていた。

泣くか、ぼーっとするかの日々。

なのでどのように回復していったかの記憶が

あまりない。

 


3年前に処方された薬は、飲まなかった。

あまり詳しい説明もされてないから飲む気にならないし、

またそんな状態になるのかと考えたら

見るだけで嗚咽がしてきた。

 


今回出された薬は今までとは違う視点から

処方された物だから、どうなるかは分からない。

怖い気もするし、本当にこれで、

ずっとずっと悩んできたものから

解放されるかもしれないという期待もある。

なんにせよ飲んでみないと分からない事なので、

今後はここを自分の状態を記録していくのに使おうと思う。

少しでも未来の自分に繋げられるように。

 


それともし今個人院に通って

改善される気配がないと悩んでる人や

その家族の人は、一度大学病院に

紹介状を出してもらうのを検討してみるのを

オススメします。


私は職場で知り合った人に薦められて

恐る恐るで紹介状について聞いたけど、

案外スムーズで、料金も安くて驚いた。

何より昔勝手に薬を飲むのをやめたせいで

今の状態になっていると、自業自得だと

思っていた事が、もっとずっと

幼少期から始まっていたんだと知って

それだけでもモヤが晴れたような気分で、

本当に行って良かったと思った。

 


ちなみに、10代の頃かかった先生は

今日会った先生の先輩という事が分かって、

その時の先生もテイストは違うけど

柔らかい雰囲気の人で、

嫌な感じがしないのに納得ができた。